どうも、元地方公務員のさたぼです!
長女
このページをご覧になったあなたは、今こんな気持ちかもしれません。
それならば、公務員の嫌なところがいっぱい見えているんじゃないかと思います。
ですが、ここで考えてみてください。
公務員を辞める事で失うもの。
あなたはどれくらい把握できていますか?
この記事は、
「公務員であることの恩恵というものがいまいち理解できない。」
「公務員から転職したいけど、後で絶対に後悔したくない!」
といった悩みにある方向けに、あなたが「公務員を辞めることによって失う4つのもの」とトコトン向き合うための内容になります。
ここを曖昧なままで転職をすると、転職後に失ったものを肌で感じ、後悔してしまう恐れがあります。
私は37歳で10年以上務めた公務員から転職し、自分の目的を叶える転職をして、今はIT企業に勤めています。
そこで私は、自分の一番欲しいものを手に入れましたが、同時に公務員として得ていた多くのものを失いました。
自分が手に入れたいものだけでなく、失うものも理解して初めて、後悔せずに突き進む覚悟を手に入れることができると思います。
私の体験から、「30代で公務員から民間企業に転職すると失う可能性のあるもの4選」との向き合い方について、解説します。
目次
転職して気づいた?30代で公務員から民間企業に転職して失う4つのもの!
以下に記載の内容は、公務員から転職しようと思った時、特に30代の転職では誰もがぶつかる問題だと思います。
転職をする前に、これらの不安とはしっかり向き合いましょう。
欲しいものはいつだって頑張った先にあります!
心に余裕のあるときに、向き合ってみましょう。
- 安定だけじゃない。着実に手に入る昇進、必ず増える給与を手放す
- 公務員として積み上げてきた信頼や社会的価値を失う
- 受け身でも生きていけた環境を失う
- 家族の「公務員になってくれてよかった!」という安心が失われる
それでは一つづつ見ていき、本当に転職すべきか、考えてみましょう。
注意:もしあなたが公務員という仕事で心が病んだり、生きづらさを感じてしまっている場合
あなたは、社会や企業や役所のためではなく、あなたのために生きています。
心が追いつめられている時は、この先を読んで転職を決めるための大事な決断をするような余裕はないと思います。
限界だと感じたら、休職しましょう。
周りに迷惑をかけるといった心配もあると思いますが、その結果あなたが倒れてしまうようなことがあれば意味がありません。
死ななければ何とかなります。
さたぼ
休職はしませんでしたが、次の異動先は比較的楽な職場になりました。
1.安定だけじゃない。約束された昇進と必ず増える給与を失う
公務員を辞めれば、クビになる、使えないと切り捨てられないために、自らも学び続けなければなりません。
公務員のように仕事の間だけ一生懸命働けば、安定して生きていけるというようなことはありません。
さたぼ
って、転職前までは思っていたんですが、実際に転職してみて、「そう簡単にはいかないな」と思いました。
IT系は特にそうですが、自分を成長させるための自己投資は、世間で言われているように確かに必要になります。
長女
さたぼ
私の転職先はIT企業ですが、未経験の私が取り組めるのは、プログラムが正常に動作するかのテストです。
これは効率の違いはあれど誰でもできる仕事なので、40代以降に食っていけるイメージがあまり湧きません。
年齢を重ねていく以上、その年齢に見合った経験を持っていないと、食べていくことは難しいと感じました。
30代後半だと、40も目の前です。
周りの若い人のように時間が解決してくれることはなく、何とか勉強をして喰らいつかないといけません。
「生活していくこと」を保証してくれているということは、余計なことを心配せずに、ただ働くことができるということ。
これはとても大きなことです。
体験談:退職を伝えたら上司から昇進の推薦状を書いていたと伝えられた話
また、私は退職を上司に伝えた際に、上司から「大きな仕事をこなしてくれたから、主査への昇進の推薦状を書いていたところだった。」と言われました。
私は出世に興味があまりなかったですが、それは転職を考えていたから。
もし、辞めるつもりがなければ嬉しかったんだろうと思います。
さたぼ
そっかぁ……いっぱい頑張ってきたもんなぁ、ちゃんと認められていたんだなぁ。
と嬉しいやら寂しいやら、とても複雑な気持ちになりました。
30代なら昇進が視野に入り始めていると思います。
転職すれば給与だけでなく、公務員で着実に出世できる未来も失うことになります。
それでも私にとっては
〇勉強する時間を差し引いても、今の方がずっと自由な時間がある!
〇勉強して知識が増えていくことで仕事でできることがどんどん増えていき、成長することが嬉しい!
ため、安定を失っても思ったよりダメージは少なかったです。
やっぱり、寂しかったですけどね、その寂しさをばねに頑張っています。
増え続ける給与、ボーナスを手放す
転職をする際、額面だけ見れば、転職しても給料は変わらないように見えます。
ですが、民間企業ではボーナスがないところも多いんです。
対して役所のボーナスは年間で4か月分とかもらえていたりします。
長女
さたぼ
私の場合は、転職先ではボーナスはあるにはあるのですが、雀の涙程度。
なので、年間収入で言えば、ボーナスだけで100万近く失ってしまいました。
金額 | |
公務員のボーナス | 4か月分 約100万 |
転職後の私のボーナス | 0.2か月分 約4万 |
ボーナスをしっかりもらえるのは大手の企業くらい。
30代からの転職であれば、ボーナスを失う覚悟をしておいたほうがいいです。
もし、「このまま公務員のままでいいのか。手に職をつけずに生きていけるのか不安です。」
というだけなら絶対辞めない方がいいです。
民間企業では、自分が食べていけるかを考えながら、生きていかないといけないからです。
上でも書きましたが、漠然とした不安で公務員を辞めれば、もっと大きな不安と戦うことになります。
辞めた先でやりたいことや欲しいもの、挑戦したいことがある!
そういう、貴方を突き動かす何かがあることが、大事だと思います。
2.公務員として積み上げてきた信頼や社会的価値が失われる
30代なら特に辛く感じるかもしれないのは、「これまでの経験や実績により得てきた信頼、社会的価値が失われること」です。
私は、公務員の仕事を多くの人たちと助け合い、支えあいながら乗り越えてきました。
困ったときには、詳しい人に連絡をして助けを求めることができました。
しかし、公務員という組織を出てしまうと、これまで組織内でコツコツ積み上げてきた信頼や、立場、人脈はリセットです。
体験談:何もかも失って転職したときの私の状況
民間企業に転職したばかりのときの私の状況は、以下でした。
①田舎から都会に出てきて、一人ぼっちの再スタート。
②ほぼ未経験のIT業界に転職したため専門性の高い仕事はできない
③同僚で先輩は10歳以上年下
④私の仕事は受託業務。依頼してくるのは、以前の公務員のときの私や先輩のような人たち。彼らが対応しきれない雑用が仕事。
⑤仕事の依頼がなくなってしまうと、将来仕事を失うかもしれない不安定な立場。
公務員のままであれば、私が仕事を委託し、指示する立場でしたが、完全に逆になってしまいました。
公務員の仕事は、下請けではなく一次産業。
外部と関わる際は基本的に上の立場です。
対して今の私は下請け仕事。
お仕事が降りてこなければ、そのままクビになるかもしれません。
そのため、上司からはプログラミングの技術を「余暇でつけるように」遠回しにプレッシャーをかけてきます。
スキルもないので、とにかく体当たりで0から覚えていかないといけません。
公務員で10年真面目に働いてきて、この人に任せれば大丈夫、この人に相談すればなんとかなると、頼ってもらえる立場になれていました。
女性との出会いもありましたし、公務員であると言えば、それだけで安心してもらえました。
そんな環境も全て失いました。
んまー、プライドの高い人ならこれだけで大ダメージだと思います。
さたぼ
長女
まぁ、こんなデメリットはありまして、落ち込んだりもしたけれど、それ以上のメリットがあったため、わたしは元気です。
①委託する側が会議や不具合や電話で忙しい中、サクッと自分の仕事を終わらして定時で帰れる。
②これまでの経験は無駄ではなく、専門性は低くても仕事のスピードでは同僚をすぐに追い越した。
③上司がいい人で、プログラムが好きな人であるため、積極的に教えてくれる。
転職は失うものだけではありませんし、新たな出会いもありますよ。
3.受け身でも生きていけた環境を失う
公務員であれば、仕事の中で言われたことをこなしていけば、生きていくことができます。
受け身な生き方でも、生きていくことに困ることはありません。
ただ目の前のことをこなしていけば、生きていくことはできます。
しかし、民間ではそうもいきません。
仕事以外でも成長を求められますし、そのために何が必要か、どれだけ勉強に費やすか、自分で考えて、選択していかなければいけません。
選択を間違えれば、クビにされるかもしれません。
この自分で考えて生きないといけないことが民間のしんどさだと思います。
あなたが転職をしたいと思う理由はなんでしょうか。
さたぼ
私は「転職をして、自分のための時間を持てるようになりたい」でした。
そういった理由で転職しようと思った時、私は周りにこう言われました。
「あなたの性格なら、どこにいっても結局周りの仕事を抱え込んでしまうよ。」
そんな事態にならないように、今も四苦八苦しています。
体験談:嫌われても、自分を貫くことを決めて転職した
私は転職にあたって「嫌われる勇気」と「自分を貫く勇気」を持つことを覚悟しました。
転職後は周りが残業してようと、日中に全力を尽くして業務にあたり、成果をだして極力定時であがる。
そう決めて、転職しました。
30代になって、自分の生き方を変えるのは大変です。
でも、ここは譲るわけにはいきません。
私は時間が欲しくて転職をするからです。
その目的が果たせなければ、転職する意味がありません。
しかし、先にも話したように、仕事をほどほどにしかこなさず、成長もしなければクビにされるかもしれません。
30代からの転職、成長が遅いと感じれば、本当にクビにされる怖さを感じています。
そのため、自分で選ばないといけません。
時間をどの程度優先して手に入れて、仕事にどれだけ差し出すかを。
さたぼ1
ある程度の実力をつけるまでプログラミングの勉強を本気でして、その他の事はしばらく置いてしまおうか。
さたぼ2
さたぼ3
あーもううお前らうるさい!考えるのしんどい!もう何もかも忘れて家で一生引きこもって生きたい!
悩むことはしんどいですが、民間で生きていくためには、考えざるをえないです。
ここが転職した今、一番私がしんどいと思うところです。
専門性ほぼ0で転職するのはなかなか辛いと感じています!
そのため、できるなら、半年程度プログラミングスクールで学ぶなど、自分で有用なプログラムを1つ組める程度に勉強した方がいいと思います。
私が今思うのは、もっと勉強して基礎スキルを身につけてから転職するか、スキルも身につかないけど成長も期待されないところで、いつか辞めることを前提の転職をするかどちらかにすればよかったかな、とも思っています。
お金を貯めてたおかげで、最悪クビになってもどうとでもなると思えることは、大きな救いです。
4.家族の「公務員になってくれてよかった!」という安心が失われる
公務員になったとき、家族や親せきにとても喜んでもらえたと思います。
この、喜んでくれた家族は、あなたが公務員を辞めることで、安心を失うことになります。
特に両親は、自分の子どもが公務員になったことで、将来子どもが生活に困らずに生きていけるだろうことにとても安心しています。
この子はこれで、将来路頭に迷うことなく、生きていくことができる。
立派になってくれてよかった。
そう、安心して、心から喜んでくれていました。
そんな両親に対して、公務員を辞めたいと伝えることは苦しかったです。
でも、このまま公務員でいたら、何のために生きているかも分からない。
私は、私が今よりましだと思える生き方をしたい。
でも、これまでさんざん心配をかけてきた、親を悲しませるのは辛い・
いっそ一人であれば、こんなことで苦しまなくていいのに。
そんな嫌な考えも、何度も頭をよぎりました。
こんな悩みを持っていたからこそ、これだけは絶対したくはないと思っていたことがあります。
さたぼ
最後は、間違えるかもしれなくても、自分の思うよりよい選択を、自分でする必要があります。
体験談:私はこうやって両親を説得しました(父への説得は失敗しました……)
私は結婚をしてませんでしたので、まだ敷居は低かったですが、それでも、公務員を辞めると両親に話すことは辛い事でした。
なにしろ、私自身転職を不安に感じているのに、大丈夫だと安心してもらう必要があるからです。
こういった人たちを説得するには
「今が辛い、苦しい」だけでなく「転職しても私はしっかり生きていける。」ということを具体的に説明できる必要があります。
論理的に分かりやすく説明し、共感してもらって、信じてもらうことが大事です。
さたぼ
私は、生きていくための生活費がいくら必要かを調べ、それ以上の給与をもらえる民間企業に転職することをまず宣言しました。
公務員の間に寿命を削って貯金を貯めていたことも、説得の際の大きな武器になりました。
また、この10年で仕事は人並み以上にこなせるようになり、公務員の業務の中でIT業務も経験しており、専門性は弱くてもなんとか戦える算段がついていること。
何より、転職をすれば、絶対に今より心に余裕がある生活ができることを伝えました。
さたぼ
普段の生活の中で、「このまま公務員を続けたらこいつは死んでしまう!」という危機感が家族に植え付けられていたのも大きかったと思います。
次女
とはいえ、完全に父を説得することはできませんでした。
私にとって、仕事はあくまで食いっぱぐれないための最低限のスキルを手に入れる手段でした。
日々の最低限の食い扶持を稼ぎながら、仕事とは別に食べていける方法を見つけるという目標がありました。
ですが、その目標を達成するための手段が「いろいろチャレンジしてこれから見つける」というものだったからです。
さたぼ
次女
もし、「転職して新たな生き方を見つけたい!」という場合は、転職前にやりたい事に小さくチャレンジして、目星をつけることをオススメします。
そうでないと、私のように、周りを完全に納得させられないだけでなく、自分に自信を持つことが難しいからです。
私は、目星をつけられなかった代わりに「5年自由に生きてみて、何も成果が出せなかったら地元に帰ってくる」と伝えました。
5年の期間で何も成果を挙げられないのなら、自分でも実現できる自信が持てないからですね。
さたぼ
体験談:親戚におばさんへの説明から逃げていたら出発日当日に電話がかかってきた話
なお、親戚のおじさんやおばさんには説明せずに出てきてしまいました。
分かってもらうことは難しいと決めつけていたからです。
ですが、出発当日の朝におばさんから電話をもらい、「頑張って、応援している。」と伝えられました。
今は、「ちゃんと話しておけばよかった。」と後悔しています。
さたぼ
頭ごなしに否定するような人には無理だと思いますが、そうではないなら、勇気を出して伝えたほうが、あなたのためにもなると思います。
今回の記事のまとめ!
最後に、今回の記事のポイントをまとめます!
・公務員としてこれまで必死に積み上げてきた実績や信頼、社会的価値が失われる
・受け身ではいられない。目的を果たすために積極的に生きないといけない。
・家族や親せき、周りの人たちからの「公務員を辞めるなんてもったいない!」と向き合う
今回は30代で公務員から民間企業に転職することで失ってしまう転職のデメリットについて紹介しました。
しかし、あなたが転職を悩むのは、それ以上に欲しいものが手に入ると考えているからだと思います。
後悔しないために、失うものを理解し、「それ以上にあなたにとって欲しいものが手に入る」という確信を持つことで、転職という厳しい戦いで、生き残れると思います。
さて、公務員を辞めることは、もちろん悪いことばかりではありません。
次回の記事では、30代で公務員を辞めてわたしが感じた5つのメリットについて記載していますので、こちらもぜひ、ご覧くださいね。

さたぼ
長女